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●1日目

↑ジヴェルニー、モネの家

↑ロッシェさんのぶどう畑

↑宝石のようなぶどう


 「これがプロヴァンスの挨拶よ!」と言って、リアノンさんは私をハグしながら、右、左と両頬にチュッとキスをしてくれた。私は南仏プロヴァンスの旅の楽しさを十分満喫することができた。

 6月24日から私の南プロヴァンスの旅は始まった。
サイプレス、田園、ぶどう畑……まるでセザンヌやゴッホの絵画のような、童話の世界のような素朴な田園風景を、車窓から眺めていた。長年の夢だったモネの家、ジヴェルニーを訪ねた後、パリからマルセイユまでの道のりを、TGVの旅を楽しんでいた。3時間近く乗っただろうか、列車はマルセイユに着いた。

 南プロヴァンスの青く晴れ渡った広い空、照りつける太陽が迎え入れてくれた。ここマルセイユは二度目のこと。最初の旅はマルセイユの石鹸を求めての旅だった。初めて降り立った時と同様、容赦なく降りそそぐ陽の光は、フランスの小説に登場するサルビアの赤、ゼラニウムの赤を思い起こさせる。

 マルセイユの空港近く、BEST WESTERN HOTELで、IFA会員(英国人、日本人)約16名が集合した。ホテルのプールサイドでランチをとった後、貸切バスでニヨンへ向かう。6月24日から5日間、IFAが開催した、IFA会員同士の旅、「南仏プロヴァンス ラヴェンダーの旅」はいよいよ始まった。ツアーリーダーはリアノンさんとボブさんご夫妻。二人は英国人だが、プロヴァンスにずっと住んでいるので、通訳をしてくださった。とても気配りのある優しいご夫婦だった。

 ニヨンのホテルに向かう途中、プロヴァンスに住むロッシェさんのぶどう畑を見せていただいた。私たちが見た時は、まだ緑色のぶどうだったが、たわわに実っていた。まるで宝石のように見えた。どこまでも続くぶどうの木。どこまでも続く緑の丘。まるで絵葉書の中にいるような錯覚。ロッシェさんのお話をリアノンさんが通訳しているのを聞きながら、私は眼前に広がる風景に思いをはせていた。

 その後、私たちはチェリー(これが甘くて、おいしくて最高の味だった)を試食したり、ワイン、オリーブ、オリーブ油のティスティングをした。グラスの中から漂うワインの芳醇な香り。飲めない私が、何故かワイン通のように口に運んでいた。ロッシェさんが丹精込めて作った、ぶどうへの思いが伝わってきたのだろう。

 彼はとても誠実そうな方で、ここ南仏プロヴァンスで上質のワインを作ることに力を注いでいるのがわかった。旅から帰国し、部屋に置いてあるワインを見るたびに、南仏プロヴァンスでの風景が鮮やかに蘇り幸せな気分になる。私たちはぶどう畑とオリーブの木に別れを告げて、ニヨンにあるホテルに向かった。

 南仏プロヴァンスの夕食は8時頃からはじまる。たっぷり時間をかけて、おしゃべりしながら、食事を楽しんだ。ブラックオリーブ、アンチョビ、チキン、ラム、ウサギ、フランスパン、テリーヌ、サラダ、デザート、ハーブをふんだんに使った料理、地元のいろいろな種類のチーズは絶品だった。

●2日目
 翌朝早く、ボタニックガーデンを訪れた。ジュニパーベリー、サイプレス、クラリセージ、ジャスミン、バジル、ローズマリー、タイム、ミント、ヤロウ。さわやかな空気とハーブの香りが、あたり一面に広がる。そこでリアノンさんから様々なハーブの説明を受けた。

 興味深かったのは、トゥルーラヴェンダーとスパイクラヴェンダーの交配種であるラバンジンの違い。スッーと真っ直ぐにのびているのが、トゥルーラベンダーの花穂。一方、スパイクラヴェンダーは、茎がいくつかに枝分かれしている。その交配種であるラバンジンは真っ直ぐのものもあれば、枝分かれしているのもある。交配種のラバンジンはとてもたくましく見えた。

 ボタニックガーデンを見てから、ラヴェンダーの蒸留器の説明を受けた。こんなに近くでみたのは初めてだったので感動した。その後、オリーブ石鹸を作っていた古い工場の中を見学。オリーブの実からオリーブ油が採れる工程を説明していただいた。

 ランチの後、ホテルの中で、プロヴァンスのメディカルプランツについて、リアノンさんが解説する。スパイクラベンダーは筋肉に働きかけて、トゥルーラヴェンダーはストレスマネジメントになるという。タイム、クラリセージ、ローズマリー、マージョラム、バジル等に含まれる主な成分説明はとても興味深かった。

 ローズマリー、スパイクラヴェンダーに含まれるカンファーは強い痛み、筋肉、関節などにも働きかけるそうだ。ハーブガーデンで植物を見て、香りをかいだ後、精油の化学組成を学ぶことは精油の効果効能がより身近に、知識がさらに深まるように思った。イギリスのチェルシーにある植物園ではハーブの葉っぱを直接口に入れて噛んで見るという話を思い出した。

私はいつも授業で精油の効果効能の話をする時に「丸暗記でなく精油が採れる植物のこと、香り、成分それから効果効能に繋がってより深く理解することができて覚えることができますよ」と話している。

 夕食までの時間、ホテルの近くを散策し、近くの薬局に行った。フィトセラピー、サプリメント、フィト・アロマセラピー関連の商品、ジャン・バルネ博士の精油が陳列してあった。花粉症、便秘、喉、頭痛用の精油の入ったカプセルが売られていて、このカプセルは処方箋がなくても購入することができた。



↑ジュニパー

↑トゥルーラヴェンダー

↑蒸留釜
●3日目

↑ラバンジン

↑ラヴェンダー畑と山々と蒸留器

↑リンデンの樹
 3日目の朝早く、ホテルを出発して精油会社を訪ね、工場の中を見た後、ハーブガーデンを案内していただいた。ラヴェンダー、メリッサ、ヤロウ、セージ、クラリセージ、ミント、ローズヒップ、レモングラス、ボリッジ、セントジョンズワート、そして日本ではあまり見ることのできないタンジー、ルーなど、沢山のハーブの香りが私たちを包んだ。

 透き通るような青い空と、遥かかなたまで広がるラヴェンダー畑。山の中にある小さなレストラン「Domaine de Belonne」でランチをとると、テーブルの前には英国と日本の国旗が飾られていた。ちょっとしたお店の方のサプライズに、私たちは喜んだ。南仏プロヴァンスの新鮮な魚介類と、ハーブとスパイスの香り。美味しい料理に舌鼓をうつ。

 その後、ニヨンのホテルに戻る途中、大きなリンデンの木が沢山あった。辺りはリンデンフラワーの甘い香りで、思わず手に取り香りを楽しんだ。ジャスミンのような香り。ジャスミンよりさわやかでうっとりする香り。心をとても高揚させてくれる香りだ。

●4日目
 この日は、南仏プロヴァンスのラヴェンダーの産地SAULT(ソー)という村を訪れた。ソーはプロヴァンスで一番高いヴァンドゥー山の麓に位置し、ラヴェンダー畑が一面に広がる美しい村である。

 私たちはバスを降り、ラヴェンダー畑の中に入っていった。降りそそぐ太陽の光と、たちこめるラヴェンダーの芳香が全てを浄化し、癒してくれた。空まで紫色に染まりそうに続くラヴェンダー畑。ラヴェンダーの気品ある香り。ずっとあこがれていた風景が眼前に広がる。

 ラヴェンダーの香りが私を包み、日常生活の緊張がだんだん解けていき、広大なラヴェンダー畑の中で深呼吸して空を見上げていた。心をときめかし、紫色の花穂に鼻を近づけて思いっきり吸い込んだ。とても贅沢な時間。南仏プロヴァンスの光、風、空、色、香、音、すべてに抱擁された瞬間。ほっとする瞬間だった。

 刈り取ってもらったラヴェンダーの花を、両手に抱えた時の喜び。子供のようにはしゃぎながら、花穂がつぶれないように持っていた。何年か前に来た時は、こんなに標高高くまで来れなかったので、初めてこんなに広大なラヴェンダー畑が眼にとびこんで来た時はとても感激した。プロヴァンスでは早朝からラヴェンダーの刈り取りがはじまるそうだ。これからラヴェンダーの精油を使うたびにこの情景を思い出すだろう。かぐわしい香りを放つエッセンシャルオイルがこんなにも私を惹きつけてやまないのはなぜだろう・・・

 枝葉を大きく広げたリンデンの木の下の木陰で、マーケットで買ったフランスパンやチーズ、フルーツをほおばりピクニックランチをした。リンデンのハート型の葉っぱが、私たちを憩わしてくれた。リンデンフラワーはリラックスティーとしても有名だ。

 ランチの後はラヴェンダーを心から愛するラヴェンダーおばさんから代々続くラヴェンダー畑を案内していただく。その後、庭の木陰に座ってラヴェンダーおばさん手作りの、甘いシロップの入ったラヴェンダー水をいただいたのだが、帰りのバスの中、全員眠ってしまった。「ラヴェンダーの効果はすごいですね!!」と、皆でホテルに到着してから、笑って話していた。

↑ラヴェンダー畑

↑ラヴェンダーを刈り取る人

↑ソーの山々

↑クラリセージ畑
●5日目
 今日でニヨンともお別れ。ニヨンを離れる前にショッピングを楽しんだ後、マルセイユ空港近くのBEST WESTERN HOTEL に向かった。次にニヨンに行くIFA会員のグループと一緒にホテルでランチをしてから、南仏プロヴァンスの旅は終わりを告げた。

 この旅に参加して、植物に対する思いがますます深まった。
 広大な自然の中でうまれたエッセンシャルオイルが私たちにエネルギーを送り、私たち人間とかかわり、心と身体を、魂までも浄化して健康に導く。もう一度自然への畏敬を感じた瞬間でした。

 私が教えていただいたイギリスの先生は「アロマセラピートリートメントはクライアントの肉体と精神をトリートメントしていく」とおっしゃった。その言葉はいつも私の心の中にあった。今回この旅でますます実感した。

text & photo by Masako Kawasaki
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